
「災害時にエアコンにはどんなトラブルが起きるのか」「対処法や防災対策を知りたい」と考えていませんか。災害時は状況によりさまざまなトラブルが想定され、室外機の転倒・落下・破損などが起こる可能性があります。被害を軽減するためには、対処法や予防策を理解しておくことが欠かせません。本記事では、災害時に起こりやすいエアコンのトラブルと対処法、事前に講じたい防災対策、停電時のポイントを解説します。防災意識を高めたい方は参考にしてください。
災害時は、エアコンにもさまざまなトラブルが生じます。主なトラブルは以下の通りです。
【トラブルの例】
ここでは、これらのトラブルとその対処法を解説します。
災害時にエアコンの室外機が転倒・落下・破損することがあります。具体例は次の通りです。
【転倒・落下・破損の例】
これらの結果、エアコンが使用できなくなることもあります。転倒・落下・破損した室外機を発見した場合は、自分で対処せずに専門業者へ相談しましょう。配管にできた亀裂から冷媒ガスが漏れ出ていることがあるためです。気づかずに触れると、怪我をする恐れがあります。
大雨や河川の氾濫で、室外機が水に浸ることもあります。この場合は、エアコンを停止して、コンセントから電源プラグを抜きます。そのままの状態で放っておくと、漏電や発火の恐れがあるためです。水が引いたあとも、すぐに使用することはおすすめできません。内部はまだ濡れている可能性があるためです。専門業者に相談してから使用を再開しましょう。
災害で、室外機の位置がずれることも考えられます。よくある例は以下の通りです。
【位置がずれるケース】
室外機の位置がずれている場合も、自分で元の位置に戻さないようにしましょう。配管にできた亀裂から冷媒が漏れている恐れがあるためです。専門業者に対応を依頼してください。
事前に準備しておくと、災害によるエアコンのトラブルを防げることがあります。ここからは、室外機と室内機にわけて防災対策を紹介します。
強風が吹く恐れのある場所に室外機を設置する場合は、一定の重量があり耐荷重性に優れる置台を使用します。耐荷重性と置台の意味は次の通りです。
【意味】
これらを備えていなければならない理由は以下の通りです。
| 項目 | 理由 |
| 一定の重量 | 強風による浮き上がりや転倒を防ぐため |
| 一定の耐荷重性 | 室外機の重量や強風時にかかる力に耐えるため |
条件を満たす置台の例として、コンクリート製のブロックが挙げられます。
強風や地震による転倒を予防したい場合は、専用の金具で室外機を固定する方法も有効です。具体的には、金具を使って室外機を壁に固定するなどが考えられます。この方法は、家具の壁面固定器具(防災グッズ)と同じ原理です。あるいは、コンクリートの基礎に金具で室外機を固定することもあります。
災害時の避難経路を想定して、室外機の設置場所を選定することも大切です。狭い通路に設置すると、災害時に倒れて通行の妨げになる恐れがあります。適切な設置場所が見あたらない場合は、次の対策などを検討します。
【対策】
専門業者に相談して、設置環境に合わせた対策を講じるとよいでしょう。
風向きを考慮して室外機を設置すると、強風による転倒・落下・位置ずれを防ぎやすくなります。設置時に意識したいポイントは以下の通りです。
【設置場所の選び方】
面積が大きい正面や背面に強風が吹きつけると影響が大きくなります。この点を踏まえて、室外機の向きを検討することが大切です。また、建物の壁面を活用すると、室外機に風が当たらなくなったり、室外機が倒れにくくなったりします。
大雨や強風が予想されている場合は、雨水や泥などの侵入を防ぐため、室外機にカバーを被せます。装着時に気をつけたいポイントは以下の通りです。
【注意点】
カバーを装着したまま運転を再開すると、エアコンが故障することがあります。元の状態に戻してから運転を再開しましょう。
室内機の周囲に、水に弱いものを置かないようにします。具体例として、電子機器や紙製品、革製品が挙げられます。地震の揺れなどで室内機が傾いて、本来であれば排出される結露水が漏れ出ることがあるためです。なお、地震の揺れで室内機が落下することは基本的にありません(劣化している場合を除く)。据付板と呼ばれる金属製の板で壁面に固定されているためです。
続いて、災害で停電したときの対処法を、冷房が使えない場合と暖房が使えない場合にわけて解説します。
室内に熱がこもらないように窓を開けて換気します。対角線上にある2カ所の窓を開けると、空気の通り道を作れるため効率よく換気できます。実際に窓を開けるときは、以下の点を意識するとよいでしょう。
【意識したい点】
窓の開け方に差をつけることで空気の流れを生み出せます。
暑さを和らげるために、直射日光を遮ることも大切です。対策を講じないと、室温が上昇してしまいます。夏に窓から流入する熱の割合は約7割と考えられています。効果的な対策として、遮光・遮熱機能を備えたカーテンやすだれの活用が挙げられます。複層ガラスも効果的ですが、簡単に取り付けることはできません。手元にあるもので、できる対策を考えましょう。
暑い季節に停電が発生すると、室内の温度・湿度が上昇するため、熱中症や脱水症のリスクが高まります。これらを防ぐため、こまめに水分を補給することが重要です。ただし、大規模な停電時は断水も起こることがあります。万が一に備えて、備蓄水を用意しておきましょう。汗をかくと水分だけでなくミネラルも失われます。スポーツ飲料などを活用すると、ミネラルも効率よく補給できます。
すきま風が侵入すると、室温は下がりやすくなります。また、ひんやりとするため体感温度も下がります。停電で暖房を使えないときは、部屋に侵入するすきま風を防ぐことが大切です。主な侵入経路として、窓・ドア・換気扇が挙げられます。試してみたい対策は以下の通りです。
【対策】
できることから試してみるとよいでしょう。
保温性の高い上着や毛布などで体を温めることも有効です。首・手首・足首を、優先的に温めると効果的と考えられています。動脈が皮膚の表面近くを通っているためです。使い捨てカイロなどがある場合は、これらを使って温めてもよいでしょう。
続いて、停電が復旧したときに注意したいポイントを解説します。
停電発生時は、停電復旧に備えてエアコンの電源プラグをコンセントから抜いておきます(電源プラグがない場合はブレーカーを切っておきます)。復旧時に電気機器が一斉に動き出し、ブレーカーが落ちることを防ぐためです。復旧後は、ブレーカーを確認してからエアコンを使用します。エアコンが稼働しない場合は、ブレーカーを落として、数分ほど待ってから使用を再開するとよいでしょう。不具合を解消できることがあります。
災害で発生した停電が復旧した場合は、エアコンの使用を再開する前に配管を確認しましょう。強風の影響などで、外れていたり、破損していたりすることがあるためです。配管に不具合が生じると、冷風や温風が出なくなることがあります。不具合を発見した場合は、自分で対処せずに専門業者へ相談することが大切です。
停電復旧後は、室外機のチェックも欠かせません。強風で飛んできた落ち葉などの異物が挟まっていることがあるためです。電源プラグをコンセントから抜いて、安全を確認したうえで柔らかいブラシなどで異物を除去します。同様に、ドレンホースにも泥などの異物が詰まっていることがあります。ドレンホースは、結露水を排出する管です。詰まりが発生すると、室内機側から水漏れすることがあります。異物が詰まっている場合は、エアコンの使用を再開する前に取り除いておきましょう。
本記事では、災害時におけるエアコンのトラブルとその対処法などを解説しました。災害時には室外機の転倒や浸水、位置ずれなど、エアコンにもさまざまなトラブルが生じる可能性があります。無理に対処すると怪我や二次被害につながるため、異常を確認した場合は専門業者へ相談します。日頃から設置環境を見直し、固定や遮風対策を講じることで災害リスクを抑えられます。
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この記事の監修者

物販、飲食、事務所など商業施設をメインに20年以上空調設備工事に携わらせていただきました。
近年の猛暑の影響もあり、インフラとしての重要性が益々高まってきております。
これまで培ってきたスキルと経験を元に、空調設備工事をより迅速により正確に行いたいと考えております。