
エアコンで使用される冷媒は、環境負荷を抑えながら冷却性能を高める目的で進化を続けてきました。
その過程で、古い冷媒は順次使用されなくなっています。
本記事では、すでに生産が終了し「過去の冷媒」と位置づけられるR22を取り上げ、環境面での課題や運用上の問題点、そして次世代冷媒への移行について解説します。
R22はエアコンに用いられていた冷媒の一つで、現在は生産が終了しています。ここでは冷媒の基本的な役割と、R22が市場から姿を消した背景を説明します。
エアコンには必ず冷媒が使用されています。
冷媒は熱を運搬する役割を担っており、エアコンや冷蔵庫、冷凍庫といった温度を調節する機器に欠かせません。
エアコンの場合、室内機と室外機が設置され、冷房時には室内の熱を冷媒に移し、それを室外機から外へ放出します。
一方、暖房時は屋外の熱を集めて冷媒に移し、室内へ運ぶ仕組みです。
このような熱の移動を「熱交換」と呼び、冷媒はその熱を運ぶ重要な役割を果たしています。
冷暖房に欠かせない冷媒は、これまで何度も新しいものが開発され、従来の冷媒が順次廃止されるという歴史をたどってきました。その背景にある最大の理由は、環境への影響です。
冷媒にはクロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)といった種類があります。このうちCFCとHCFCはオゾン層を破壊する物質を含み、国際的な環境保護の枠組みにより規制されました。
R22はHCFCに分類される冷媒で、オゾン層への影響が問題視され、2020年に生産が終了しました。CFCと比較すると影響は抑えられていたものの、オゾン層破壊係数がゼロの冷媒が登場したことで、R22は役割を終えることとなりました。
R22が2020年に生産終了となった背景には、国際的な環境規制があります。オゾン層保護を目的として1987年に採択されたウィーン条約に基づき、1989年にモントリオール議定書が発効し、オゾン層破壊物質の段階的全廃が定められました。その対象にR22が含まれていたため、規制に従い市場から姿を消すこととなりました。
以下では、こうした国際枠組みのもとで問題視されたR22の環境影響について整理します。
オゾン層とは、酸素原子3つが結合したオゾン(O?)が多く存在する層で、地上10?50km付近の成層圏に形成されています。この層は太陽光に含まれる有害な紫外線を吸収し、地上に到達する量を抑える役割を担います。その結果、生態系や人間の健康が守られてきました。
しかし、かつて使用されていた一部の冷媒にはオゾン層を破壊する成分が含まれており、その影響によりオゾンホールと呼ばれるオゾン濃度の低下領域が確認されました。オゾン層がさらに破壊されると、皮膚がんリスクの増加や生態系の混乱、食糧生産への影響などが懸念されます。
こうした背景から、まず最も影響の大きかった特定フロン(CFC)が全廃され、続いて影響が相対的に小さいもののリスクが残るR22(HCFC)もモントリオール議定書により段階的に規制されました。
R22は段階的に使用が制限され、2010年および2015年に規制が強化され、2020年に生産が終了しました。そのため、2010年以前に製造されたエアコンにはR22が使用されている可能性があります。2025年時点では導入から15年以上が経過している機種も多く、故障や冷媒ガス漏れのリスクが高まります。
R22が生産終了となったことで、新規の冷媒補充はほぼ不可能です。回収・再生品が流通する場合もありますが、供給が限られ価格も高騰しており、入手は非常に難しい状況です。また、R22対応エアコン自体の生産も終了しているため、修理部品の確保も困難です。
その結果、R22を使用したエアコンが故障した場合、修理対応が難しい、修理に時間がかかる、費用が高額になるといった問題が発生しやすくなっています。
冷媒の進化に伴い、新しい冷媒は冷却能力が向上しています。冷媒は蒸発時に周囲の熱を奪う性質があり、この熱の吸収量を「蒸発潜熱」と呼びます。蒸発潜熱が高いほど、少ないエネルギーで効率よく冷却できます。
古い冷媒であるR22は、近年主流となっているR32と比べて蒸発潜熱が低く、エネルギー効率が劣ります。このため、同じ設定温度でも冷房能力を補うためにコンプレッサーの負荷が高くなり、結果として電気代が増える傾向があります。
現在、古いエアコンを使用している方にとって気になる点、よくある質問をまとめました。
問題解決の参考にしてください。
エアコンの室外機に、使用されている冷媒の種類が記載されています。
室外機に貼付されたシールの「冷媒」欄を確認してください。「R22」と記載されていれば、R22が使用されています。
R22は2020年に生産が終了し、新規の冷媒ガスを製造することはできません。そのため、基本的には補充用のガスを入手することは困難です。市場に残っているものは、過去に確保された在庫や回収・再生された冷媒が中心となります。
ただし、これらの供給量は限られているため、安定した入手は期待できません。流通量が減るにつれて価格も上昇しており、今後さらに高騰する可能性があります。そのため、R22を使用するエアコンへの補充は現実的ではない状況です。
原則として、エアコンの仕様にない冷媒を充填することはできません。例えば、R22を使用する機種にR32やR410Aを入れることは想定されておらず、故障や安全性の問題につながる恐れがあります。
また、冷媒ごとに機器構造や回収方法が異なるため、規格に適合しない冷媒の使用は推奨されません。安全面・法令面の観点からも、R22用のエアコンに他の冷媒を入れるのではなく、対応機種への交換が必要です。
R22を使用するエアコンは、現在も使用自体は可能です。しかし、修理が難しいことや電気代が高くなる傾向があるなど、運用面でデメリットが多くなっています。そのため、新たに導入する場合は新冷媒であるR32を採用したエアコンへ交換するのが現実的な選択肢と言えます。
ここでは、R32搭載エアコンに交換する際のメリットとデメリットについて解説します。
R32を搭載したエアコンに交換することで得られるメリットは、大きく2つあります。
1つ目は、電気代を抑えられる点です。
R32はR22に比べて蒸発潜熱が高く、冷却性能に優れています。そのため、同じ室温設定であっても少ないエネルギーで効率的に冷房でき、省エネにつながります。さらに、少量で高い冷却能力を発揮できるため、エアコン本体の小型化にも寄与し、これまで設置が難しかったスペースでも導入しやすくなります。
2つ目のメリットは、メンテナンス性の向上です。
R32は今後の主流となる冷媒であり、R22のように製造が終了しているわけではありません。冷媒補充時の入手性が高く、将来的なメンテナンスコストや手間を抑えやすい点がメリットです。
R22からR32のエアコンに交換する際に考えられるデメリットは、主に2つあります。
1つ目は、導入コストです。
既存のR22エアコンを撤去し、新しいエアコンを設置するための工事が必要となり、本体価格に加えて施工費が発生します。こうした初期費用は負担となりますが、省エネ性能の向上によって電気代が抑えられるため、長期的にはコスト回収を期待できるケースもあります。
2つ目は、R32が微燃性の冷媒である点です。
微燃性とは、わずかに燃焼性があるものの、容易に燃え広がらない特性を指します。それでも漏洩時には火災リスクがゼロではないため、設置環境に応じた安全対策が求められます。また、取り扱いには専門知識が必要となり、冷媒の充填や補充は専門業者への依頼が必須となります。
2010年以前に導入されたエアコンには、生産が終了した冷媒R22が使用されている場合があります。R22はオゾン層への影響が指摘され、国際的な規制により新規生産や供給が段階的に停止されました。現在は、環境性能や省エネ性に優れたR32が主流となりつつあります。
R22を使用したエアコンは修理や冷媒補充が難しくなっているため、稼働に不安がある場合はR32搭載エアコンへの交換を検討することが現実的な選択肢です。
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この記事の監修者

物販、飲食、事務所など商業施設をメインに20年以上空調設備工事に携わらせていただきました。
近年の猛暑の影響もあり、インフラとしての重要性が益々高まってきております。
これまで培ってきたスキルと経験を元に、空調設備工事をより迅速により正確に行いたいと考えております。