
環境負荷の低さと高い冷却性能から、近年注目されている新冷媒「R32」。
本記事では、従来の主流冷媒であるR410Aとの違いや、R32が選ばれている理由を解説します。エアコン用冷媒として高い評価を受ける一方で、デメリットや取り扱い時の注意も必要です。R32の基礎知識に加え、メリット・デメリット、安全に使用するためのポイントまで分かりやすく紹介します。
エアコンの次世代冷媒として注目されているR32は、どのような物質で、どのような特性を持つ冷媒なのでしょうか。
従来の主流であるR410Aとの違いを交えて解説します。
R32が次世代冷媒として注目される背景には、国際的な環境負荷軽減の取り組みがあります。
かつて広く使用されていたフロンガスは、冷却性能に優れる一方でオゾン層を破壊するという重大な問題を抱えていました。
そのため規制が進み、環境への影響が少ない代替冷媒の開発が加速しました。
1987年のモントリオール議定書でCFCの規制が採択され、段階的にHCFCも廃止されることとなりました。
さらに、1997年に採択された京都議定書では温室効果ガスの排出削減が国際的に推進されました。
こうした取り組みの流れから、より環境負荷の低い冷媒が求められるようになり、次世代冷媒としてR32が注目されています。
R32の主な特徴は、次の2点です。
1. 環境負荷が低い
R32はオゾン層を破壊しないうえ、地球温暖化係数(GWP)がR410Aの約3分の1に抑えられています。
このため、環境負荷の低い次世代冷媒として評価されています。
2. 冷却効率が高い
R32は蒸発時に多くの熱を奪う性質(蒸発潜熱)があり、少量でも効率よく冷却できます。
この高い冷却性能により、省エネ効果や機器のコンパクト化にも寄与します。
2025年時点で、R32は次世代の冷媒として位置づけられています。
現在の主流はR410Aで、こちらもオゾン層を破壊しない冷媒として広く普及しています。
しかし、R410Aの地球温暖化係数(GWP)は2,090と高く、環境負荷が大きい点が課題です。
対してR32のGWPは675で、R410Aの約3分の1にとどまります。このため、環境性能に優れた冷媒として注目されています。
一方、R410Aは不燃性であるのに対し、R32は微燃性を持つため、火災リスクへの配慮が必要です。
また、R410Aが複数の冷媒を混合した「混合冷媒」であるのに対し、R32は単一冷媒です。
その結果、漏えい時に成分が変わらず、補充や取り扱いが比較的容易という特徴があります。
環境性能をはじめ、多くの利点があるR32について、エアコンに採用した際の主なメリットを紹介します。
R32が注目される最大の理由は、その高い環境性能です。
従来主流であるR410Aと同様にオゾン層を破壊しないうえ、地球温暖化係数(GWP)は約3分の1に抑えられています。
そのため、温暖化対策の観点からより優れた冷媒とされています。
また、温室効果ガスの排出削減を求める国際的な規制が進む中、R32の需要と重要性は今後さらに高まると考えられます。
R32は蒸発潜熱が高く、周囲から効率よく熱を奪う性質があります。
そのため、少ない量でも高い冷却効果を得られます。
R410Aと比較すると冷却能力が高いとされており、空調性能の向上に寄与します。
また、同じ能力を発揮するために必要な冷媒量を抑えられるため、機器のコンパクト化にもつながります。
これにより、設置スペースが限られる場所でも対応できる可能性が広がります。
さらに、効率よく熱交換を行えるため、省エネ効果が期待でき、結果として環境負荷の軽減にも貢献します。
エアコンの省電力化は、電気代の節約に直結します。
近年では電気代の高騰が続いており、家電の中でも電力消費量の多いエアコンの節電をすることにより、ランニングコストの節約ができます。
エアコンの新しい冷媒として注目されているR32について、デメリットについてもまとめました。
R32は、わずかに燃える性質をもつ「微燃性」の冷媒です。
微燃性とは、着火する可能性はあるものの、燃え広がりにくい特性を指します。
国際規格では「A2L(低燃性)」に分類されており、使用にあたっては火災リスクを考慮する必要があります。
一方、従来主流のR410Aは不燃性のため、事故リスクの点ではR410Aのほうが安全性が高いと言えます。
ただし、R32は環境性能や冷却効率に優れていることから、適切な安全対策を講じた上で採用が進んでいます。
R32は比較的新しい冷媒であるため、修理やメンテナンスの現場では取り扱いに関する知識が十分浸透していない状況です。
そのため、専門技術を持つ人材の育成や取り扱い方法の共有が課題となっています。
特にR32は微燃性の特性があるため、火災リスクを抑えるための安全対策が不可欠です。
安全管理には高度な知識が求められ、今後も技術教育の重要性が高まると考えられています。
R32を冷媒とするエアコンは、従来のR410A搭載機種より価格がやや高めです。
ただし、今後さらなる普及が進むことで生産コストが下がり、価格が安定することが期待されています。
微燃性であることは、R32が持つデメリットであり、注意を要する部分です。
そこで求められるのが安全対策です。
ここでは、新冷媒R32の安全対策について3つのポイントで解説します。
R32は微燃性であり、都市ガスやプロパンガスのように一気に燃え広がったり爆発する危険性はありませんが、火気厳禁である点は変わりません。
火災リスクを軽減するため、警報装置やかくはん・通風装置、緊急遮断装置などによる安全設計が採用されています。
万が一R32が漏出した場合は、室内空気をかくはんし、通風装置を作動させて濃度を下げます。
さらに、室内機と室外機の間に遮断装置を設けることで、室内で漏れが発生してもそれ以上の流出を防ぎ、濃度上昇を抑制します。
エアコンの能力に応じて使用する冷媒量が決められており、その量に応じた安全装置の設置が義務付けられています。
火災リスクを低減する仕組みには、冷媒漏れを検知する警報機が含まれています。
R32の漏えいを検知すると、ランプの点灯・点滅や警報音で知らせ、室内の人に避難を促します。
業務用エアコンを複数台設置している施設では、特定の場所だけに警報を出すだけでは十分ではありません。
そのため、集中管理室に警報を送信し、建物全体でリスクに対応できるシステムが必要です。
また、かくはん装置や通風装置を設置している場合は、R32の漏えいを検知した時点で自動的に換気機能が作動し、室内濃度の上昇を防ぐ仕組みが求められます。
R32に対する安全対策は多段的に設けられていますが、機器が正常に作動しなければ十分な効果は得られません。
そのため、専門技術者による適切な施工と定期点検が不可欠です。
R32は今後の主流冷媒と見込まれており、技術者育成と人材確保は業界全体の課題となっています。
空調機メーカーや業界団体では教育体制の強化が進められており、施工品質の高さはメーカーや施工会社にとって重要なアピールポイントとなります。
また、R32冷媒を使用したエアコンを導入している建物では、継続的な点検が求められます。
万が一冷媒が漏えいして火災が発生した場合、重大な事故につながるため、検知警報装置は年1回の点検と5年ごとの交換が義務付けられています。
R32は環境性能と冷却効率に優れた新しい冷媒であり、今後より高い環境性能が求められる中で普及が進むと考えられています。
蒸発潜熱が高いため、エアコンの小型化や省エネに寄与し、利用者にとってもメリットの大きい冷媒です。
一方で微燃性を持つため、火災リスクを想定した安全対策が不可欠です。
万が一R32が漏えいした際に備える検知警報装置や、濃度上昇を防ぐ遮断装置、かくはん・通風装置などは、エアコンの規模に応じて設置が義務づけられています。
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この記事の監修者

物販、飲食、事務所など商業施設をメインに20年以上空調設備工事に携わらせていただきました。
近年の猛暑の影響もあり、インフラとしての重要性が益々高まってきております。
これまで培ってきたスキルと経験を元に、空調設備工事をより迅速により正確に行いたいと考えております。