
業務用エアコンは、オフィスや飲食店、工場などで快適な室内環境を保つために欠かせません。しかし長時間稼働するため、電気代の負担が大きくなりがちです。一方で、夏場の熱中症対策としても重要な設備といえます。本記事では、業務用エアコンの電気代の目安や季節による違い、電気代が高くなる主な原因を解説します。あわせて、省エネ機種の選び方と日常運用で実践できる節電方法も紹介します。
業務用エアコンの導入を検討する際、とりわけ気になるポイントは「電気代」です。実際の電気代は、設置する環境やエアコンの機種、使用目的によって大きく異なります。この記事では、業務用エアコンの電気代の目安と、簡単にできる電気代の計算方法をわかりやすく解説します。
通常の家庭用エアコンの消費電力は「◯畳当たり◯kW」と表記されますが、業務用エアコンの消費電力は「◯馬力当たり◯kW」で表記されます。馬力が高いほど空調性能は向上しますが、同時に消費電力も大きくなります。馬力の消費電力は、1馬力当たり約2.8kWとされています。
1時間当たりの電気代を、ダイキンの業務用エアコン「machiマルチ」を例に以下に表としてまとめたため、参考にしてください。
| 馬力・消費電力 | 1時間当たりの電気代の目安 | |
|---|---|---|
| 3馬力 | 冷房(7.1kW) | 220.1円 |
| 暖房(8.0kW) | 248.0円 | 4馬力 | 冷房(10.0kW) | 310.0円 |
| 暖房(11.2kW) | 347.2円 | 5馬力 | 冷房(12.5kW) | 387.5円 |
| 暖房(14.0kW) | 434.0円 | 6馬力 | 冷房(14.0kW) | 434.0円 |
| 暖房(16.0kW) | 496.0円 | 8馬力 | 冷房(20.0kW) | 620.0円 |
| 暖房(22.4kW) | 694.4円 | 10馬力 | 冷房(25.0kW) | 775.0円 |
| 暖房(28.0kW) | 868.0円 | |
※参照元:DAIKIN.「店舗・オフィスエアコン スカイエア カタログ 2024/03」(https://ec.daikinaircon.com/ecatalog/DKCB001/catalogview.html)
業務用エアコンの電気代は、室内外の気温や使用状況、設置する部屋の広さ・天井の高さ・間取り、さらに電力会社との契約内容によって大きく変わります。正確な電気代を把握するためには、次の計算式を使うのが基本です。
消費電力(kW) × 使用時間(h) × 電力量単価(円/kWh)= 電気代(円)
計算式を利用することで、1時間あたり、もしくは1日・1か月あたりの業務用エアコンの電気代を簡単に算出できます。
また、消費電力は機種によって異なり、冷房時と暖房時でも数値が変動します。エアコンのカタログやメーカーサイトを確認すれば、各機種の「消費電力」を調べることができます。
カタログには一般的に、「定格の消費電力」と「最少~最大の消費電力」の二つが記載されています。定格消費電力は標準条件下での運転時における電力消費量で、最少~最大の消費電力は部屋の温度や負荷によって変動する電力範囲という意味です。これらは季節や時間帯によってエアコンの出力が変動する範囲を示す値で、電気代をより正確に予測するための参考になります。
業務用エアコンは、運転を開始してから設定温度に到達するまでの間に、最も多くの電力を消費します。このとき、設定温度と外気温の差が大きいほど、消費電力量が増加し、消費電力も高くなる傾向があります。
たとえば地域によって差はありますが、夏場は設定温度と外気温の差が5度から10℃程度になるのが一般的です。一方、冬に外気温が0℃の環境で設定温度を20℃にすると、外気温との差は20℃以上となり、設定温度に到達するまでに冷房時よりも多くの電力を必要とします。
そのため、業務用エアコンの消費電力は、一般的に夏よりも冬の方が高くなる傾向にあります。電気代を抑えるためには、設定温度を極端に上げ下げせず、外気温との差をできるだけ小さくすることが大切です。
エアコンの消費電力は、設定温度に達するまでが最も高くなります。そのため、頻繁に電源を入切すると、かえって電力消費が増える傾向があります。
オフィスや病院のように、昼間のみ稼働する場所では、人のいない夜間帯は業務用エアコンのスイッチを切っておいたほうが消費電力は少なくすみます。一方で、コンビニや工場のように24時間稼働する施設では、業務用エアコンをつけっぱなしにした方が電気代を抑えられる場合があります。
業務用エアコンは、使用方法や設置環境によっては無駄な電力を消費する場合があります。ここでは、電気代が高くなる主な原因を解説します。
業務用エアコンは経年劣化で性能が低下していくため、古い業務用エアコンは消費電力が高くなる傾向にあります。特にエアコンのコンプレッサーが劣化すると冷媒の圧縮効率が下がり、設定温度に到達するまでにより多くの電力を必要とします。一般的に業務用エアコンの寿命は約10年とされており、10年以上使用している場合は、定期的なメンテナンスや交換の検討が必要です。
環境省によると、夏場の冷房時に設定温度を1℃上げると約13%、冬場の暖房時に1℃下げると約10%の消費電力削減につながるとされています。急いで部屋を冷やそうと設定温度を低くしたり、風量を多くしたりはせず、適切な設定温度にすることで節電効果は見込めます。
業務用エアコンは使用していると、空気中に漂うホコリや花粉といったゴミを吸い込み、フィルターに付着してしまいます。フィルターに汚れが溜まると、吸着しきれなかったホコリが熱交換器に入り込み、エアコンの運転効率を下げてしまいます。このためフィルターや熱交換器は定期的に掃除し、エアコンを清潔に保つことで、節電につながります。
業務用エアコンには「R32」といった代替フロンが冷媒として使われています。かつてはフロンガスが使われていましたが、環境への影響を考慮し、現在では代替フロンが採用されています。
冷媒ガスは、設置不良や経年劣化によって漏れを起こす場合があります。ガスが不足すると室内機内部の一部が過冷却状態になり、結露や水漏れの原因になることもあります。冷媒ガスが漏れると、エアコン本来の冷暖房能力が発揮できず、運転効率が大きく低下します。そのため、水漏れや冷えが悪いなどの異常を確認した場合は、早めに専門業者へ点検・修理を依頼することが重要です。
業務用エアコンは、室内機と室外機の間で熱交換を行なうことで空調を調整しています。 しかし、室外機が直射日光の当たる場所や通気性の悪い場所に設置されていると、夏場には機器自体が熱を持ち、冷房効率が大幅に低下します。
また、吹き出し口の前に障害物があると、放熱が妨げられて運転効率が悪化し、場合によっては異音や停止の原因になることもあります。室外機の周囲には十分な空間を確保し、直射日光や風通しの悪さを避ける設置環境を整えることが、安定した運転のために大切です。
業務用エアコンの電気代は、使い方を工夫することで無駄を減らせます。設定温度の見直しや自動運転の活用、定期的な清掃など、日常の工夫で電力使用を抑える方法を紹介します。
業務用エアコンは、定期的な清掃とメンテナンスを行なうことで、冷暖房効率を維持し、電気代の節約にもつながります。フィルターの汚れや内部のホコリは、風量低下や冷えにくさの原因となり、無駄な電力を消費します。定期点検によって故障やガス漏れを早期に発見でき、結果として長期的なコスト削減や快適な空調環境の維持が期待できます。業務用エアコンを適切に運用するには、専門業者による定期清掃とメンテナンスを習慣化することが重要です。
業務用エアコンの電気代を抑えるには、設定温度を適正に保つことが重要です。冷房を必要以上に低く、暖房を高く設定すると、エアコンがフル稼働し続けて無駄な電力を消費します。一般的に夏の冷房は28℃、冬の暖房は20℃が快適かつ適した温度設定とされています。さらに、外気温との温度差をできるだけ小さくすることで、エアコンの負荷を軽減し、効率的な運転が可能になります。業務用エアコンは稼働時間が長いため、温度設定の違いが年間の電気代に大きく影響します。適正な温度管理を徹底することが、電力コスト削減と快適な職場環境の両立につながります。
室内の温度は窓からの日射で大きく変わります。特に夏場は、ブラインドやカーテンで日射を遮ることで室温の上昇を抑えられます。これによりエアコンの負担を軽減し、電力使用量の抑制につながります。
業務用エアコンの自動運転モードやタイマー設定を活用することは、省エネと電気代削減に効果的です。自動運転モードでは、室温や湿度をセンサーが自動で判断し、最適な風量と温度に調整します。設定温度を頻繁に変える必要がなく、無駄な電力消費を防げます。
また、タイマー機能を活用すれば、出社前の自動運転や退勤後の自動停止ができ、つけっぱなしによる電力ロスを防止できます。特にオフィスや店舗などでは、消し忘れ対策として効果的です。
室外機を効率よく稼働させるためには、風通しがよく、日射が当たりにくい場所に設置する必要があります。このため室外機は風通しがよく、直射日光を避けられる場所に設置することが望ましいです。周囲に物を置かないようにし、日よけなどで適度に日射を防ぐと運転効率が保たれます。
業務用エアコンの電気代を抑えるには、省エネ性能の高い機種への入れ替えが効果的です。古いエアコンは消費電力が多くなる傾向があります。インバーター制御や高効率コンプレッサーを搭載した省エネ型エアコンに更新することで、年間の電気代削減と環境負荷の軽減が期待されます。
業務用エアコンの電気代を抑えながら快適な空間を維持するには、省エネ性能の高い機種選びが重要です。ここでは、省エネ性の高い業務用エアコンを選ぶ際に注目すべきポイントを紹介します。
省エネ性能の高い業務用エアコンを選ぶ際に、重要となるのがAPF値・COP値の数値です。APF値とは「Annual Performance Factor(通年エネルギー消費効率)」の略称で、「年間を通して、どのくらいの効率で冷暖房できるか」を意味します。APF値が高いほど少ない電力で運転できます。
一方、COP値は「Coefficient of Performance(成績係数)」の略称で、冷房または暖房時に使用した電力1kWあたりでどれだけの熱エネルギーを生み出せるかを表します。どちらの値も高いほど省エネ性が高い傾向があり、結果として電気代の抑制につながります。業務用エアコンは長時間稼働するため、導入時にAPF値・COP値を比較することで、ランニングコストの削減や環境への配慮がしやすくなります。
業務用エアコンを導入する際は、使用環境に適した能力・容量の機種を選ぶことが大切です。部屋の広さや天井の高さ、利用人数、日射条件などに対してエアコンの馬力が合っていないと、冷暖房効率が悪化し、余計な電力を消費してしまうことがあります。エアコンの馬力は低過ぎても、高過ぎても、冷暖房効率が悪化し、電気代が余計にかかります。環境条件に合わせた適正な機種選定が、省エネにつながります。
インバーター制御機能付きのエアコンは、設定温度に達すると自動で運転を調整し、室内温度が変化した際に再稼働します。自動運転するエアコンで、大きな省エネ効果が見込めます。そのため2000年代以降は、インバーター方式のエアコンが広く普及しており、現在では多くの業務用機種に採用されています。しかし古いエアコンのなかには、未だにインバーター方式ではないエアコンもあります。そのため古い機種を使っている場合は、インバーター方式の機種に交換することで、電気代の削減につながる可能性があります。
業務用エアコンの電気代は、使用環境や機種の性能によって大きく左右されます。無駄な電力消費を抑えるには、定期的なフィルター清掃や点検を行い、設定温度を適正に保つことが大切です。冷暖房を効率よく使うためには、タイマーや自動運転機能を上手に活用しましょう。さらに、APF値やCOP値の高い省エネ型エアコンに更新すれば、長期的に電気代の削減が可能です。建物の広さや用途によって最適な機種は異なるため、専門業者に相談して適切な効率的な導入計画を立てることをおすすめします。
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この記事の監修者

物販、飲食、事務所など商業施設をメインに20年以上空調設備工事に携わらせていただきました。
近年の猛暑の影響もあり、インフラとしての重要性が益々高まってきております。
これまで培ってきたスキルと経験を元に、空調設備工事をより迅速により正確に行いたいと考えております。